一般個人のみなさまへ
老後設計は「どうしたいのか?」から
いままで仕事上も私的にもたくさんの方のご相談をお聞きしました。その中で感じることは、「どうしたいのか」がわからずにただひたすら「不安」を持っている人も少なからずいます。高齢期の方より若い(60代など)方のほうがその傾向が強い気がします。
また「老後の費用はいくら必要ですか」という質問も多いです。しかし、これは個人差が大きすぎます。どのような条件で、どういう暮らしをしたいのか、さらにその人の性格も大いに関係しますから、よく雑誌などにあるように「老後費用〇億円必要!」みたいなことは一概に言えません。というか、そんな煽りに惑わされないでいただきたいです。それでも、老後に「お金」はとっても重要です。それだけは間違いない。しかし、まずは「自分はどうしたいのか」逆算からでないと老後の人生設計はできないと考えます。
・最期はどこで迎えたいのか
・その時周りにいる人は誰を想定できるか
・自宅に住み続けるのか住み替えるのか
・どんなところに住み替えたいのか
・誰と住むのか
・資産(ストック)と収入(フロー)
・持病はあるか
・介護が必要になればどうしたいか
・人との交流の得手・不得手
・続けていきたい趣味や仕事があるか
などなど、これだけでも足りませんが、自分が死ぬまでの様子をイメージしてみることが第1歩でしょうか。まずは、「理想」で良いです。理想に対して可能・不可能な条件が必ず出てきます。そのときに妥協できる点、できない点がありますので、そこをひとつひとつ調整していくしかありません。こればかりは誰かに頼れず、自分でないとできないことです。
何年もかけて、たくさんの有料老人ホームを見学してきたけど混乱してしまい「決めてください」と言われたことも1,2回ではありません(;'∀')。高齢期の暮らしは、若いときと違って「住宅」を買うのではありません。生活(居住)を買う(選ぶ)ことです。おそらく、自分の希望や条件が整理されておらず、高齢者施設のPRを聞いて迷いが出るのだと思います。「ぶれない自分の基軸」を持つことがまずは大切ではないでしょうか。誰にとっても共通の「成功パターン」も「正解」もありません。自分でしかそれは作れません。